ハッチポッチ

幼児番組と言えば、常に正統派な王道を歩んでいるのは「おかあさんといっしょ」である。この番組は私の幼児期にも放映していた。当時の私は、吉行和子が「おはなしのおねえさん」になる毎週金曜日に放映していた「おはなしこんにちは」が大好きだった。小学生の頃には「ピンポンパン体操」が一世を風靡した。中学生の頃には「ひらけ!ポンキッキ」の「およげ!たいやきくん」がいまだに破られないレコード売上を記録した。ピンポンパン体操の頃から、幼児番組は民放がアドバンテージをとっていた。いずれも幼児を対象にした正統派番組だったと思う。

しかし、最近、こんな幼児番組の概念を払拭した番組がある。NHK教育の「ハッチポッチ・ステーション」である。1960〜70年代を中心とした欧米のロックのパロディや、繰り出されるギャグなどは、誰がどう見ても幼児を対象としていない。完全にその親以上の年代をターゲットとしている。グッチ裕三独自の世界だ。正月になると何故か一時間の特別番組となるということで、今回初めて観てみて、密かなブームだということがよく理解できた。

この内容で民放で大人向けに放映したとしてしても、大して面白くないだろう。グッチ裕三とNHK教育。これは意外性の勝利だ。

('00/01/02)