読書感想文

大学こそ浪人してやっと入った私であるが、それでも小学生の時は、勉強ができる子だった。しかしそんな私にも、唯一大嫌いなものがあった。それは作文だった。その中でも嫌いなものが読書感想文であった。夏休みになるとこの読書感想文というものが必ず課された。

勉強ができる子というのは、殊更に努力をしないでも授業が理解できるというものなのであるが、読書感想文というものは、当たり前であるが本をしっかり読まなければ書けないものである。私は作文以上に本が嫌いな子だったので、大抵は本のあとがきを引用して感想文っぽく仕上げていた。要は怠惰な子だったのである。私は。

今でこそ、好き好んでこうしてホームページ上で下手な文章を発表しているが、子どもの頃に全く価値を見出せなかった読書感想文をもっとまじめにやっていればよかったと思う時がある。昔の人はよく言ったものだ。少年老い易く学学び難しなどと。

('99/07/17)