アンデス地方

私はアンデスのフォルクローレが好きである。その土地の音楽が好きということで、その土地の文化や歴史についても調べてみようという気持ちに駆られる人は多いと思う。音楽の背景を知る上で、ごくごく当たり前の気持ちであろう。

フォルクローレは、先住民インディオと征服者スペイン人との混血音楽であるということは、ご存知の方は多いだろう。ケーナと呼ばれる葦笛は、インカ時代から、葦のみならず銀や骨などでも作られたというが、アルマジロの胴体でできたチャランゴという小型のギターのような楽器は、まさにスペインのギターが原型である。この地の古来からの伝統継承音楽から創作音楽まで総てをひっくるめてフォルクローレと言っているのは、懐の深さと言えよう。

後者の音楽の中に「チンボラソ」という曲がある。このチンボラソは山の名前であり、ヒマラヤという存在や、南米大陸の最高峰アコンカグアが知られる前には、ヨーロッパ人の間では世界一の高さを誇る山として知られていた。

一方で、インカの最後の皇帝「マンコカパック」なんていう人物もいる。ペルー・ボリビア国境の「チチカカ湖」の意味が父と母ということからすると、この山と皇帝の意味もそういうことになるのであろうか。私たちと同じモンゴロイドであるインディオの不思議な言葉である。

('99/04/18)