伊東四郎の偉大さ

伊東四郎と言えば、三波伸介、戸塚睦夫(共に故人)とのてんぷくトリオを皮切りに、私が中学生の頃は、「見ごろ食べごろ笑いごろ」という、今で言うバラエティの走りの番組で、たいそうな人気を博していた。少し後の時期の「おしん」では名優ぶりを発揮していた。最近では、ここ1年くらいの間の私の好きな番組「お江戸でござる」にもレギュラー出演をしており、先日、四年間の出演を全うし、当番組を降りた。三年契約というところ、あまりの人気で一年の契約延長を行ったそうである。

その後NHKは、細川俊之や谷幹一という個性派を立てて、この番組を切り盛りしているが、やはり大黒柱の引退の穴は埋められない。脇役の由紀さおりや竹下景子、野川由美子の冴え具合も、やはり伊東あってのものである。伊東は当番組では限りなく脇役に近い主役であったが、その存在感の大きさは、いなくなってから改めて痛感させられた。残念に思っているのは、決して私だけではないだろう。

('99/04/18)