電車の中吊り

私は以前は通勤時に、主にクラシックをディスクマンで愛聴していたのであるが、最近はそれが疲れるようになってきて、ボーッとして乗っている。往路の電車ではラッシュだし、そんな余裕はないのだが、復路の電車では中吊りや壁面の広告をよく見る。その中でも気になるのが「日能研」という進学塾の広告である。有名・名門中学校の入試問題が紹介されている。

こんな問題だ。慣性の法則で使うようなダルマとその下に円筒形の木片があり、そこに二文字の漢字が書かれている。次の漢字を逆さまに書いた場合、何と読むか答えなさい。@根性 A星図 B母乳 C敬愛 という感じで4問が記されていた。(共立女子学園中)

この問題が云々という前に全然関係ないことではあるが、試験問題というものは、何故にこう高圧的な言い方をするのか。私は小学生時代から疑問だった。この問題だって小学校を卒業したばかりの子が受けるのだから、「・・・答えてね。」とか「・・・答えてちょんまげ。」なんていう問いかけがあっても良いのではないか。

話題は脱線したが、国語なんて教科は年齢を重ねるとそれなりに理解度は高まってくるので、子供が「うば」と読めなくても良いと思う。むしろまだ、「うば」という人が、どのような時代背景の中で、どのような役割をしていたのか理解することの方が大切な気がする。この出題は、良い問題としての事例紹介だと思うが、それは出題のテクニカルな部分でのことであって、本質的には良い問題とは言えないと感じた。

('98/11/25)