ダメダメ大相撲

平成十年の大相撲九州場所は、平幕の琴錦が14勝1敗の成績で優勝して幕を閉じた。このところ大相撲人気も翳りが出てきて、満員御礼の垂れ幕が下がらない日も珍しくなくなってきた。特定部屋に帰属する力士の上位陣独占や大型力士の台頭による相撲そのものの大味化等々、様々な原因が挙げられるが、やはり一番は大相撲協会の努力が足りないというべきである。

本場所が盛り上がるパターンとしては、上位陣の安定とそれを崩そうとする技巧派力士、猪突猛進型力士がしっかりと脇を固めて、最終的には横綱が優勝して「よかった」という構図であろう。加えて時系列的に中日・十日目・千秋楽とこうした絡みの中で緊張感が高まってこなければ、本場所は盛り上がらない。

私が言いたいのは、協会はこういったことを意識した取り組みの励行をすべきだし、こうした結果を考慮した場所後の番付編成にもっと神経質になるべきだということである。往々にして、下位で連勝街道を突っ走った末に上位陣と組まされ、仮に上位戦を五分で戦い終えた力士よりも、出だしがトントンだったために同位置くらいでも上位戦を戦わずにして、幕尻相手に漁夫の利的大勝ちをした力士の方が、結果として星数を残し、上位と組まされた者よりも次の場所の番付では上位に位置付けられたりする場合がある。これは興ざめだ。

('98/11/22)