蝶と蛾

昆虫が殊更に苦手な人はともかくとして、普通の人でも蝶は好きであっても、蛾は好きでない人は多いと思う。それでは、蝶と蛾の決定的な相違点って何だろうか?羽の色の美観の相違か?触覚の形状か?止まり方か?飛び方か?害虫か益虫の相違か?行動が昼型か夜行性の相違か?しかし、それぞれに例外があり、生物学的にはこれといった分類方法がないらしい。

子どもの頃よく見かけた「ハヤブサ」と呼ばれていたこげ茶色の美しくない蝶(イチモンジセセリ)は概ね蛾だと思われているし、日中、花などにくる大型の胴体と透明な羽を持つオオスカシバという蛾は、蜂と間違われ恐れられたりする場合もあるし、要はいい加減なのだ。蝶に分類されたグループは良いだろうが、蛾に分類されたグループは、蛾というだけで忌み嫌われたり、丸めた新聞紙で叩かれたりして、納得がいかないことだろう。今こそ蛾グループは決起する時だ。

('98/11/22)